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質問した。結果は予想した通り「5千円・1万円まで」が過半数を占めたが、「2万円まで」「2万円以上」が34%もあり現実の処理費用がこれに近いことを考えると、処理の経験や廃棄について何等かの相談をしたことのあるユーザーが数多く含まれていることも考えられる。
なお、廃船処理の世間相場といったものはないが、広島方式の産廃業者「プレハブ工業」は長さ7mから9mまでの船なら10万円から15万円ぐらい、とのことである。
?D 廃船の処理費用を新艇購入者にも負担してもらうという意味の「デポジット制」の採用について質問した。新艇購入価格が上昇するという意味では、ユーザーにとってはデメリトットにもなる制度であるが、「賛成」が66%あった。「反対」意見も20%を超えるが、理由としては「新艇購入者の負担増」や「転売などの流通過程でうやむやになる恐れがある」といったデポジット制度のシステム運用に関する不安が多く、「排出者責任」「ドイツのようなメーカー責任」を挙げたものも散見される。
?E 廃船の不法投棄を防ぐために、自動車のように所有者を登録することによって最終所有者を明らかにしようとする考えがあるが、登録制はしばしば徴税に結び付く制度にもなると考えられている。この登録制についてどう考えるか、を聞いた。
結果は91%の人が「賛成」という回答であった。「反対」も若干あり、理由としては「税金」のほか「取締りの強化」「登録リストの他の流用の恐れ」等である。全体的にはユーザーが廃船の不法投棄を含めた放置艇問題について大きな関心を持ち、秩序ある制度の実施を望んでいるものと思われる。
?F プレジャーボートの廃船処理について自由意見をお願いしたところ、沢山の意見、要望があった。放置艇を含めて広く廃船処理問題の解決方法等について提案があり、廃船処理システムの構築に際し、これらの提案を充分反映していく必要があると考える。
(注記)本アンケートの対象は当会のBAN会員である。全ユーザーの中では比較的自己責任意識の強い人々の集団であることと、回答を寄せた人々はその中でも特に意識の高い人と考えることが出来るため、この回答をもって平均的所有者の意識と捉えることは避けなければならないであろう。しかし意見レベルの高いユーザーの意見として、大いに尊重されるべきものと考える。

 

 

 

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